2025年03月26日
【News LIE-brary】カプコン、大阪・関西万博に「バイオハザード」テーマの大型パビリオン出展へ 次世代エンタメ戦略の中核に据え、窪田隼人氏がプロジェクトを統括
株式会社カプコン(本社:大阪市中央区、代表取締役社長COO:辻本春弘、以下 カプコン)は本日、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)に、同社の旗艦IP(知的財産)である「バイオハザード」シリーズをテーマとしたパビリオンを単独出展することを正式に発表した。同社の中長期的な成長戦略において、本プロジェクトは極めて重要な位置づけとなり、その統括責任者には若きエースとして注目される執行役員の窪田隼人氏が任命された。
■「生命の輝き」と「人間の強靭さ」を問う、未曾有の体験型パビリオン
本日開催されたオンライン記者会見において、辻本春弘COOは「大阪・関西万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』に対し、エンターテインメント企業として真正面から向き合い、当社ならではの貢献をしたい」と出展への意欲を語った。
パビリオンの仮称は「RESIDENT EVIL: The SURVIVOR'S QUEST (仮称)」。世界的な人気を誇る「バイオハザード」の世界観をベースに、最新のXR(クロスリアリティ)技術、フィジカルな空間演出、そしてインタラクティブなストーリーテリングを融合させ、これまでにない没入感とスリルを提供するという。
辻本COOは、「単なるホラー体験施設ではない。極限状況下における生命の尊さ、困難に立ち向かう人間のレジリエンス(回復力・強靭さ)、そして科学技術との向き合い方といった、万博のテーマにも通底する普遍的な問いを、エンターテインメントの力で来場者一人ひとりに投げかけたい」と、そのコンセプトの深さを強調した。
具体的には、最新鋭のVR/ARデバイスを装着し、リアルなセットとデジタル映像がシームレスに融合した空間を探索するアトラクションが中心となる模様。来場者の選択や行動によって展開が変化するマルチエンディング要素も盛り込まれる見込みで、リピート来場を促す仕掛けも検討されている。加えて、シリーズの歴史や世界観を深く掘り下げる展示エリア、限定グッズやコラボレーションフードを提供するショップ&カフェなども併設される計画だ。
■プロジェクトリーダーに窪田隼人氏を抜擢、次世代戦略への本気度示す
注目すべきは、この大型プロジェクトの陣頭指揮を執る人物として、執行役員であり、近年同社のデジタル戦略やグローバル展開を牽引してきた窪田隼人氏が任命された点である。
窪田氏は、若干30代後半ながら、「モンスターハンター:ワールド」以降のグローバルヒットや、「バイオハザード」シリーズのリメイク戦略において中心的な役割を担い、その手腕は業界内外で高く評価されている。特に、データ分析に基づいたマーケティング戦略と、IPの価値を最大化するトランスメディア展開を得意としており、今回の万博出展においても、単なるパビリオン運営に留まらない、多角的なビジネス展開を視野に入れていると見られる。
辻本COOは窪田氏の起用について、「彼の持つクリエイティビティ、デジタルへの深い知見、そしてグローバル市場を見据えた戦略的思考は、この前例のない挑戦を成功に導く上で不可欠な要素だ。次世代のカプコンを象徴するプロジェクトであり、それを担うにふさわしいリーダーだと確信している」と、全幅の信頼を寄せていることを明かした。
窪田氏自身も、「世界中から注目が集まる万博という舞台で、カプコンが培ってきた技術力とIPの力を結集し、最高のエンターテインメント体験を届けられることを光栄に思う。これは、ゲームという枠を超え、リアルな感動と交流を生み出す、当社の新たな可能性を示す試金石となるだろう。チーム一丸となって、期待を超えるものを作り上げたい」と力強く抱負を述べた。
■「IP×リアル体験」戦略の加速、エンタメ業界へのインパクトは
カプコンにとって今回の万博出展は、単なる企業プロモーションの域を超えた、重要な経営戦略の一環と位置づけられる。同社は近年、保有する強力なIPをゲームだけでなく、映像、グッズ、ライセンス事業など多角的に展開する「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」を推進してきた。今回のパビリオン出展は、その戦略をさらに推し進め、「リアルな体験」という領域に本格的に踏み出すことを意味する。
特に、最先端のXR技術への大規模投資は、将来的なメタバース市場や体験型エンターテインメント市場を見据えた布石と考えられる。万博という国際的な実証実験の場で得られる知見やデータは、今後の同社の技術開発や新規事業創出に大きく貢献するだろう。
また、大手ゲーム企業によるこれほど大規模な万博への単独出展は、他のエンターテインメント企業にも影響を与える可能性がある。デジタル化が加速する一方で、リアルな体験価値への希求も高まる中、カプコンの挑戦は、IPを活用した新たなビジネスモデルの可能性を示唆するものとして、業界全体の注目を集めることは必至だ。
■成功への期待と課題
世界的な人気IPと最新技術、そして経験豊富なリーダーの組み合わせは、大きな成功への期待を抱かせる。一方で、世界中から多様なバックグラウンドを持つ数百万人の来場者に対し、安全かつ高品質な体験を提供し続けることは容易ではない。言語対応、アクセシビリティへの配慮、混雑緩和対策、そして何よりも、期待を裏切らないクオリティの維持が求められる。
窪田氏率いるプロジェクトチームが、これらの課題をいかに克服し、カプコンならではの「驚きと感動」を大阪の地で実現するのか。パビリオンのさらなる詳細発表を含め、今後の動向を注視していく必要があるだろう。カプコンの万博への挑戦は、同社の未来のみならず、日本のエンターテインメント産業の国際競争力を占う上でも、重要な意味を持つプロジェクトとなりそうだ。