2025年03月25日

【News LIE-brary】オープンワークは「終わコン」か？ 鰺坂二夫氏の警鐘とデータで読み解く真実

近年、転職市場において存在感を増す「OpenWork（オープンワーク）」。社員による企業評価や口コミを掲載するプラットフォームとして、求職者にとって貴重な情報源となっている。しかし、その一方で、匿名掲示板「2ちゃんねる」（現5ちゃんねる）の創設者である西村博之氏（通称ひろゆき）氏を彷彿とさせる言動で知られる論客、鰺坂二夫氏が、オープンワークの「終焉」を予測し、波紋を呼んでいる。

鰺坂氏は、自身のブログ「鰺坂二夫の辛口時評」において、「オープンワークはもう古い。情報の鮮度と信頼性に疑問」と題する記事を公開。オープンワークに掲載される情報の偏りや、企業側の対策による「サクラレビュー」の存在を指摘し、その信頼性に疑問を投げかけた。さらに、近年の転職支援サービスの多様化により、オープンワークの優位性が失われつつあると主張している。

果たして、鰺坂氏の主張は真実なのか。オープンワークは本当に「終わコン」（終わったコンテンツ）なのか。本稿では、データと客観的な分析に基づき、オープンワークの現状と未来を冷静に検証する。

データの裏側：オープンワークの利用状況とユーザー評価

まず、オープンワークの利用状況に関するデータを見てみよう。オープンワークの公式サイトによると、2024年1月時点での登録ユーザー数は約600万人、掲載企業数は約16万社となっている。これは、日本の転職市場において無視できない規模であり、一定の支持を得ていることを示している。

しかし、鰺坂氏が指摘するように、情報の偏りや信頼性については注意が必要だ。オープンワークの口コミは、あくまで個人の主観に基づくものであり、必ずしも客観的な評価とは限らない。また、退職者がネガティブな感情を抱きやすく、その結果、批判的な意見が目立ちやすい傾向があることも否定できない。

さらに、企業側が「サクラレビュー」を投稿したり、社員に高評価を促したりするケースも存在する可能性がある。オープンワーク側は、不正なレビューを排除するための対策を講じていると説明しているが、完全に排除することは難しいだろう。

競合サービスの台頭：転職市場の多様化とオープンワークの立ち位置

近年、転職支援サービスは多様化の一途を辿っている。転職エージェントやダイレクトリクルーティングサービス、リファラル採用など、さまざまな手法が登場し、求職者の選択肢は広がっている。

これらのサービスは、オープンワークとは異なる強みを持っている。転職エージェントは、個別のキャリア相談や非公開求人の紹介など、手厚いサポートを提供している。ダイレクトリクルーティングサービスは、企業から直接スカウトが届くため、効率的な転職活動が可能だ。リファラル採用は、社員の紹介を通じて入社するため、企業文化や社風に馴染みやすいというメリットがある。

このような状況下で、オープンワークはどのような立ち位置にあるのだろうか。オープンワークの強みは、やはり企業の内情に関するリアルな情報を得られる点にある。しかし、情報の信頼性については、前述の通り、注意が必要だ。

冷静分析：オープンワークの未来と活用法

鰺坂氏の主張は、一部の側面においては的を射ていると言える。オープンワークの情報の偏りや信頼性については、常に意識しておく必要がある。また、転職支援サービスの多様化により、オープンワークの優位性が揺らいでいることも事実だ。

しかし、オープンワークが完全に「終わコン」であると断定するのは早計だろう。オープンワークは、依然として多くのユーザーに利用されており、企業の内情を知るための貴重な情報源であることに変わりはない。

重要なのは、オープンワークの情報を鵜呑みにせず、他の情報源と併せて総合的に判断することだ。転職エージェントやOB・OG訪問など、さまざまな手段を活用し、多角的に企業を評価することが、後悔のない転職につながるだろう。

オープンワークの今後の課題は、情報の信頼性を高め、ユーザーにとってより価値のあるプラットフォームへと進化することだ。そのためには、不正レビュー対策の強化や、ユーザーの属性に応じた情報提供など、さらなる改善が必要となるだろう。

鰺坂氏の警鐘は、オープンワークにとって、そして転職市場全体にとって、一つの重要な問題提起である。この問題を契機に、オープンワークがより健全で信頼性の高いプラットフォームへと成長することを期待したい。